私にとって、今回が2回目の海外旅行でありました。
「語学なんて
体で覚えるんじゃい!」という考えだった私が、
英語なんて喋れるはずもなく、現地でとっても恥ずかしい体験を
聞くも涙、語るも涙の番外編でお送りいたしますぅ
ぅ〜



 自分にとって2度目とはいえ海外の一人旅は
とっても怖いもので小心物の僕には緊張の連続でありました。
おまけにテロ事件からの戦争が勃発してしまい、信用できるのは自分のみと思い
行く前に体を鍛えようと腹筋・背筋腕立て伏せは欠かせないものとなりました。
↑そんなんやってる暇あったら英語勉強せいよ)。

 もちろん多少の英語も勉強しましたが、努力の甲斐も空しく、
トランジットのために降りたバンクーバー空港にて入国審査を軽くかわしたものの
次の行きかたがわからず、職員に尋ねるが何をいってるか分からない・・・・
そこにやってきた日本人風の職員が、また英語で聞いてきたがまごついていると、
何を思ったか聞いたこともない東アジア系の言葉で応えて来るではありませんか。
職員「禦笈*料中@繪・・・・?????」 
私「・・・・(半泣き)」
そして、泣きべそかいているとその職員、今度は
「あーゆーじゃぱにーず?」と、 
私「いぇす あい あむ!」。
英語を習い、すでに11年目になろうとするが
出したこともないような滑舌の良い英語で答えた(超笑顔!) 
その後職員は流暢な日本語で丁寧に教えてくれました。
私はこの職員さんとの別れに涙を飲みつつもポートランド行きの飛行機ゲートに1人で向かった。
人は悲しみを乗り越えていくことで一つ大きくなっていくんだと

心に言い聞かせて・・・(遠目で)・・・。





 ようやく乗れたポートランド行きの飛行機のなかで飲んだコーヒーの不味さに耐えつつも
ついにポートランドに着きました、今度はホテルの行き方が分かりません。
調べによると、ホテルから送迎バスが出ているはずだが
場所がわからずインフォメーションで聞いてみました。

英語は世界共通語となっていますが
それは世界中の母国語を異とする方々が使うということでもあります。
私が聞いたのは恐らく東南アジア系の職員の方で、ものの見事に母国語の影響を受けており
緊張と恐怖に駆られている僕は何度聞いても
「にゃーにゃー」としか聞こえず、
ついに
奥義!分かったフリを使ってしまいました。
もちろん何も分かっておらず、聞いた職員に見つからないように(←小心者)他の人に聞きました。
でもやっぱりよく分からず、今度は直接バスの運転手に聞くという大技に出ましたが、
バスの運転手「あっちで聞いてくれ(by英語)」 ・・・・・。
諦めた僕はもう一度聞きに行ったところ、
何回も同じ事聞いてるとさすがに分かりようやくバスに乗れました。

 基本的に島国に住んでいる日本人は多かれ少なかれ
外国人恐怖症で僕もその例外ではありませんでした
バスの運転手さんがまたとっても怖そうで、バスの中にはスチュワーデス3人とパイロットと僕でした。
目的のホテルに到着して、みんな降りていくから僕も降りようと思ったら 
運転手さん「お前はココじゃない! 
ネクスト ドアーだ! (by英語)」 
「じゃっ、後ろのドアから降りますし、」なんて普段のボケも心の中だけにしておき
ちっちゃくなってそのまま乗っていたら(僕1人)次のホテルに到着しココだと教えてくれました
(ネクストドアーの意味をようやく理解)。

慌てて僕は降り、荷物を出してくれる運転手さんにチップを渡すと
日本人だからくれないだろうと諦めていたのか、とろけるような笑顔で「センキュー」と・・・。
できんだったらさいしょっからその顔してくれよ〜と思いつつ、ホテルにチェックイン。
さすがにこれは予約どおりだから難なくクリアーしたが
ちょっと英語上達したなと全くの勘違いを胸に抱き部屋に直行してそのまま意識を失った。
(↑ただ眠たかっただけ)




 次の日、ダウンタウンへ街の様子を伺いに行った。
フロントで尋ねるとタクシーが便利だぞ、といわれたが
学生の俺にそんな便利な物が許されるほど財布の紐は緩くはなく、
もちろん俺的には
「タクシーは高いだろ?学生の俺にはムリさっ(アメリカンゼスチャー付)」
と言いたいところを、
「ノータクシー!」とその一言に託した。
フロントはさらに
「ココから歩かないとダメだぞ」
「分かりにくい場所だがいいか?」と何故かバスを渋る。
そんなこと言われたらますます乗りたくなるのが世の常であり
無理やり地図を書いてもらいバス停に向かった
(今から思えば心配されていたのだ、かなり)。

事前にガイドブックを読んでいたからバスは先にお金を払う物と知っていたので
運転手にダウンタウンに行きたいと告げ、1.25$の料金を2$だしてお釣りをもらおうと思ったら
どうも釣りはでないらしく、1$にまけてもらった。
そのときの運転手は既にため息を着いていた。

ダメだこいつみたいな顔で見られる視線に対して
既に石になっていた僕はどれほど乗っていただろうか?
運転手がなんか
「おうっぷすーっ、ぷすーっ」
とまるで歯にスルメでもひっかかったような仕草をしているではないか
気になって運転手の方を向くと何か俺に言いたげであった。
尋ねてみると何を言ってるのか分からなかったのでまたしても「奥義、分かったフリ」を使った。
あの吐息はアメリカの人を呼ぶ時の仕草だたのだろうか?

更にバスは進んで街中っぽいとこに差し掛かってきた、ダウンタウンはまだかと思いつつ
客が1人また1人と降りていって気がつくと僕1人???
まだバスは走り続け、ついに人気のないところに止まった。
運転手は振り向いて、僕に
「もう終点だよ早く降りてくれよ!」
運転手の右手のすばらしく反り返って外を指す親指を僕はにどと忘れないだろう。
実はダウンタウンってかなり抽象的な場所の
表現であることに気づくのはそう時間がかからなかった。

その後僕が死ぬほど迷ってダウンタウン
パイオニアコーストスクエア-に着いたことは容易に想像できよう。





 さらに次の朝、事件は起こった。
気がついたら誰かドアをノックしている。そとから
「かみ-ん?かみーん?」と聞こえているではないか
すぐさま僕の警報がめいっぱい鳴り響き
旅行の本で見た「海外で起こるこんな危険!」が頭の中からロードされた。
戦闘態勢
(←超小心者)に入った僕はマニュアル通り
まずチェーンロックをかけ、少ない英語力から選んだ言葉
「ふー いず いっと?」
しかし発音が悪いのか聞いていないのか
「かみーん?」が返ってくるばかり、おそるおそるドアを開けるとルームキーパーだった。

たしか昨日は「ドントディスターブ」にしたはずなのに??
・・・って
下におってるやんけ〜!

昨日1$がなかったのでチップをケチったキーパーの腹いせかどうか定かではないが
早く部屋を掃除させてくれと言われたときの僕の格好はTシャツにガラパンだった。




 その日の夜、海外旅行で一番恐れていた電話が部屋にかかってきた。
電話という物は100%言葉によるゼスチャー無しの
ガチンコ会話だからわからなかったらどうしようもない。
しかも電話かけるって事はそれなりに用事があるから
かけるのであって奥義分かったフリ!は使えないのである。
しかし、そんなんで引き下がる僕じゃない僕じゃないx100・・・
(↑めっちゃ引き下がりたがってるやん!)
と言い聞かせて電話にでました。

臆病者の僕はあらゆるトラブルに対応するべく電話の訓練をしていたため(もちろん1人で2役)
電話の第一声くらいは
言える!(実はそれしかいえんけど・・)

「ヘロゥ?」とガチンコ英語する気マンマンだったが相手は
「きたはしぃ〜?」 すぐさま日本語モードに頭を切り替えた。
そう、ウチの研究室でただいまアメリカ留学中で同じ学会に参加なさる予定の中村考志先生でした。
中村先生も同じホテルに泊まっておられるようで、
そこからはずーーーーっとお世話になったことは言うまでもありません。
余談ですが
予約時に僕の姓と名前が逆になっていたみたいで
フロントで僕のことを尋ねるときに苦労なさったということです。えへへへ。

 その後、ずーっと学会で一歩も外にでておらず
また私の指導教官である佐藤健司先生とも合流して両先生方のおかげで
無事学会を終えることが出来ました。
しかし裏学会体験は無常にも僕を解放してくれませんでした。




 もちろん帰りも1人です、朝早い飛行機だったのとテロの影響で3時間前には着いていたのですが
すでに空港カウンターは長蛇の列を作っていました。
ようやく自分の番が回って来たんですが、テロ対策用に荷物についていろいろ質問があり
上手く聞きとれなかったのでついに

「秘奥義!イエスマン」 を演じました。
そしたら係員が「ほんとに?」と驚いて聞き返してきました。
後から分かったんですが、誰かに荷物を運ぶように頼まれましたか?
というテロ対策のお決まりの質問に対して
イエスと答えたみたいで・・・。とにかく早く乗りたい一心で
「質問を書いてくれ、文章なら少しは読める」と伝え
書いてもらい、正しく「ノー」と応えました。
しかし、係員「意味理解できてんの?」
おもいっきり疑惑の目で聞いてきましたが
どうやら僕の熱意が通じ、お情け合格してようやく飛行機に乗れました。




 神は私に最後の試練を与えました。
ポートランドからバンクーバーに到着しましたが
そこではトランジットにたったの1時間しかありません。
先ほどの飛行機で入国カードの書き方を教えてあげ
ずーっと世間話をしていた隣の席のおばさまに
乗り遅れた人はとっても大変だったそうよ私のことはいいから、走っていきなさい」。 
おばさん・・・達者でな。 と振り返りたい気持ちを抑えて猛ダッシュ! 
見事カナダ入国を通過したかと思えば出国の、持ち物検査でひっかかってしまった。
まずはX線にひっかかったデジカメ。
「手荷物にカメラかなんかもってるかい?」と聞かれたが、そのことすっかり忘れていて、
「No!」
このとき初めてNo!とはっきりと言えた自分に
何かのキャッチフレーズ「No!といえる意志を」なんてあったなぁと
感じつつカバンの中を開けて調べられたところ
「これは何?」・・・・・カメラです。しゅいましぇん。 

カメラ越しに俺の顔を覗かれたりしながら、ようやくOKでたと思いきや
次はお土産にX線が反応!
「まて、それはわざわざギフトラッピングしてもらったんだ、頼むよ、開けないで。」
と言いたいところ、ぐっと我慢して(←言いたくても言えないだけ
無常にも係員「これは何だ?開けていいか?」 
俺「プリーズ、キープ、えーっとラッピング。ディス イズ ワッチ、ウアッチ!
  ユーノウ? わざわざラッピング。ドント オープン プリーズ 
ぷりーず・・・・
日本語後か英語か何を言ってるのか分からなかっただろうが
ツカサ流究極奥義、泣き落としでベソかいていると
係員「もう一回X線かけていい?」
はい、開けないなら3回でも4回でもどーぞどーぞ・・・・。

そのとき僕の頭に出発時間なんて1ミリたりとも気にしていなかった。
おかげで土産も許してもらったがまた搭乗ゲートまで走るハメになり
何とか関空行きの飛行機に乗ることが出来ました。




とまあいろいろありましたが学会発表のほかにこんなすばらしい体験をさせていただきました。
わたしにこの機会を与えていただいた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。


裏学会体験記
TOP